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【図解】見やすい研修資料の作り方は? 研修資料作成の手順やポイントを解説

最終更新日:2023年12月25日
見やすい研修資料の作り方は? 研修資料作成の手順やポイントを解説

明快な研修資料を作成することは、研修の効果を最大化するために不可欠な要素のひとつです。しかし、自分なりに作ってはみたものの情報を詰め込み過ぎて伝わりにくい、デザインのルールや方法がわからず見にくいなど、悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、初めて資料を作成する方も実践しやすいコツや、研修資料作成の具体的な手順、受講者の意欲と理解度を高める資料作成に欠かせないポイントなどを解説します。

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見やすい研修資料の作成が難しい理由

見やすい研修資料の作成が難しい理由は、複合的かつ多岐にわたります。資料の見た目を整えるデザイン的な知識を要するだけでなく、研修の目的や受講者に応じた構成、情報の整理や情報量の配分、口頭で説明する内容とのバランスなど、さまざまな工夫が求められます。

また、受講者の目線で作成する必要がある点も難しさのひとつです。研修担当者には簡単な内容や慣れた表現でも、研修を初めて受講する方にとってはわかりにくい場合があります。そういった状態では、受講者は資料を読み進め、説明を聞き続ける意欲を削がれてしまうでしょう。IT専門用語や複雑な内容がわかりやすく伝わるか、情報の誤りや過不足がないかなど、他の方に協力してもらい客観的に確認することをおすすめします。

研修資料作成の流れ

ここでは、実際に研修資料を作成する際の具体的な流れを順番に解説します。適切なステップを踏むことで、効率的により良い資料を作ることができます。

1. 研修の前提・テーマの設定

まずは、研修そのものの目的やテーマを明文化しましょう。実施する研修により、達成したいゴールは異なります。企業が研修を通じて受講者に何を伝え、どのような知識や技術を身につけてほしいか、受講後にどんな行動を促したいかを冒頭で明確に記載しましょう。

そこから逆算することで、研修資料の果たすべき役割や落とし込む内容が具体的になります。この部分が定まっていない場合、研修資料の方向性がずれてしまったり、重要な情報が埋もれたりしやすくなります。

テーマの選定には、受講者のニーズを把握することも大切です。研修の対象となる新入社員へのヒアリングも効果的です。企業側が教えたいことを一方的に伝えるのではなく、受講者の課題や要望を反映することで意欲や満足度を高め、結果的に研修効果の向上が期待できます。

▶ 関連記事:管理職研修の目的や内容、費用相場は? 実施に必要な前提知識を解説

2. 情報の整理・構成

目的とテーマが設定できたら、それに沿った情報を収集します。しかし、情報が多ければ良いわけではありません。重要度や関連性を考慮しながら整理し、取捨選択を行うことが大切です。伝えたい内容に、裏付けとなる根拠や背景を添えることで説得力を持たせましょう。受講者が疑問に感じる箇所を予測し、回答を用意しておくこともおすすめです。

資料作成をするうえで重要な「構成要素の分解・分類」の流れを示した図。「導入→メイントピック→結論」の順に説明することが重要。導入では、テーマ理解に必要な前提情報や、問題・課題、その原因・要因について共有する。メイントピックでは、導入で説明した内容に対する解決手段の提示、実施方法や流れ、期待される効果などについて詳細を説明する。結論部分では全体の振り返りや補足、メッセージを記載する。

次に、研修資料の全体像を決め、構成を練ります。ここでも目的をしっかりと押さえ、どのような順序で伝えるとより効果的であるかを考える必要があります。全体像は、「導入→メイントピック→結論・まとめ」の三部構成が基本形です。構成要素を「見出し」レベルまで細分化し、目次を作るイメージで構築すると取り組みやすいでしょう。

3. 文章や図などの下書きを作る

続いて、各パートの内容を作成します。情報の重要度やデータの種類に応じて、テキストで説明するか、グラフやイラストなどの図や表を用いるかを選択します。文字情報ばかりのビジュアルでは、かえって要点が埋もれてしまうことがあります。強調したい部分では文字や図を大きく使う、口頭で説明する内容と分けるなど、目的に沿って設計すると効果的です。

細かい文章表現や図表の色など、初めから完全なものを作ろうとすると時間や手間ばかりかかってしまいます。後から調整や修正を行うことを念頭に置き、この段階では「下書き」としてアウトラインを整えることを優先しましょう。一旦完成させ、次のステップとして推敲を行うことで、効率的にブラッシュアップできます。

4. 推敲と図解作成

推敲では、情報や数値の正誤・誤字脱字や表記上の問題を確認するほか、内容の精査も行います。また、全体を見ながら、視覚化できる数値などがあれば置き換えを検討しましょう。適切な図解の提示は、受講者の直感的な理解を促すほか、研修資料にメリハリをつけることもできます。

推敲の際には、複数名で確認する、声に出して読む、モニターで見るのではなく紙にプリントしてチェックするなど、さまざまな方法で取り組むことをおすすめします。また、受講者に合わせて、専門的な知識を要する部分には注釈を入れるといった工夫も欠かせません。

見やすい・わかりやすい資料作りのポイント

見やすい資料は「見栄えの良い資料」ではありません。ここでは資料作成に役立つルールについて、ポイントを絞ってご紹介します。

1ページごとの要素を絞る

研修資料は「1ページ(1スライド)1メッセージ」が基本です。メッセージを限定し簡潔に伝えることで、受講者に対して明確に印象付け、理解度や定着度の向上を促すことができます。

研修資料作成において1ページに記載する要素を絞ることで見やすさが向上することを示した図。
良い例ではページタイトルの直下に重要なキーメッセージを記載し、補足情報を簡潔にまとめているが、悪い例では情報の粒度が揃っていない複数の主張とそれぞれの詳細説明が記載されており、ページのテーマが分かりづらい

研修の受講者は、新たな知識を得るために初めて見る資料を手に講師の話を聞いています。多過ぎる情報は受講者を混乱させ、理解を妨げるだけでなく、参加意欲や集中力の低下も引き起こしかねません。

また、研修資料は重要なポイントを定着させ、口頭説明ではわかりにくい内容を視覚的に補う役割を担うもので、マニュアルやガイドブックではありません。資料にすべてを書き記す必要はありませんので、不要な部分はできるだけ削ぎ落とし、受講者の迷いや負担をなくせるよう心がけましょう。

色やフォントの種類や装飾は最低限にする

目を引く資料を作ろうと意気込み、文字色やフォントを多用するとごちゃごちゃとした見た目になりがちです。そのため、見やすい資料を作成するにはシンプルさと統一感が重要です。

フォントによる見え方の違いを説明している図。
ゴシック体やメイリオはフォントの太さが均一であり、太字も見やすいが、明朝体は線が細いうえ、太字も目立たないため視認性が低い。

シンプルさと統一感を持たせるには、一貫したルールを設けると良いでしょう。たとえば、ベースはこのフォント、見出しや重要なポイントはこのフォント、注釈などの小さな文字はこのフォントと決め、資料全体を通して適用します。なお、細い明朝体や手書き風フォントなどは人によっては読みにくいため、ゴシック体やUD(ユニバーサルデザイン)フォントがおすすめです。

配色等による見え方の違いを説明した図。テキストに黄色のハイライトをしたり、太字や強直目的の青文字・赤文字を多用したりすると重要な情報がなにか判断しづらくなるうえ、蛍光色によって目が疲れてしまう。

配色も同様に、メインカラー、アクセントカラーなどを3色以内で決めておきましょう。見づらくなる注意点としては、背景色とテキストの色が近い(例:濃い色に濃い色を重ねる)、蛍光色を使う、文字に線や影を付け過ぎることなどが挙げられます。

不要な装飾が含まれたスライドデザインの例。ギザギザの図形や吹き出しが入ることで見た目が安っぽくなり、信頼性を損ねている

加えて、グラデーションや吹き出しといった装飾が多用されていたり、不要なアニメーションが含まれていたりすると、見づらいだけでなく資料の権威性・信頼性を損ないかねません。「資料作成はシンプルに」が重要です。

レイアウトを各ページで揃える

ページ(スライド)ごとのレイアウトも、ページの種類ごとにルールを決めておくと効率的です。たとえば、テキストメインのページ、図表や画像を配置するページ、要点をまとめるページなどです。受講者も、ページの構成や重要な部分を把握しやすくなります。

ページレイアウトの良い例と悪い例を比較した図。
良い例では1ページに含まれるグラフは1つであり、補足するテキストブロックも1つのみになっている。悪い例では1ページにグラフとテキストブロックが2つずつ入っていて、ページの主張が不明瞭なうえ、各テキストブロックがどちらのグラフの説明をしているのかわかりづらい配置になっている。

また、基本的には1スライドにつきグラフや画像は1つまでとするのが望ましいですが、複数配置する際は図解とテキストのまとまりを意識するとよいでしょう。どのテキストがどの図解の説明になっているのかを明瞭にできます。

余白の有無による見え方の違いを説明した図。同じレイアウトであっても、各要素間やページ端の余白やテキストブロックの行間が適切にとられていないと、視認性が落ちてしまう。

レイアウトを決める際には「余白をとる」ことを意識しましょう。ページの四方(周囲)や行と行、文字と文字、図と文字の間などが詰まっていると、見にくく窮屈な印象を与えてしまいます。スペースのある配置では、受講者がメモを書き込むこともできます。

研修資料の活用アイデア

かつて、研修資料といえばプリントした紙の束やPowerPoint(パワーポイント)によるスライドが主流でしたが、現在では動画を用いる企業が増加しています。研修資料や教材そのものを動画で作成する場合も、集合研修を撮影して動画にする場合も、オンライン研修を録画して活用する場合もあります。

従来の通りの紙やPowerPointの資料を保存しておくだけでは、受講者が復習に見直したり講師が研修後、次回の準備・参考に活かそうとしても、口頭で説明された内容や文脈を正確に思い出せないことも少なくありません。ですが、研修資料に動画を活用すれば、トークの内容や流れを含めて記録し、資料ごとアーカイブ化できるため、必要に応じていつでも見られるメリットがあります。これにより、受講者の理解度や定着度が向上するとともに、研修施策の効率化も可能です。

▶ 関連記事:動画研修のメリットとデメリットは? 始め方や実施のポイントも解説
▶ 関連記事:オンライン研修とは? メリット・デメリットや注意点、ツールを解説

まとめ

見やすい研修資料を作成することは、受講者の負担を減らし、理解度や定着度を向上させるために役立ちます。まずはしっかりと目的とテーマを定め、それに沿って情報収集を行い、構成を練りましょう。初めから完成させようとせず、推敲を重ねることが大切です。

資料作成に苦手意識のある方やデザイン的な知識を持っていない方でも、基本的な考え方とポイントを押さえることで見やすくわかりやすい資料を作ることができます。また、完成した研修資料は、動画にしてアーカイブ化するといった活用方法もあります。社員の学びや研修施策のブラッシュアップにもつなげていきましょう。

社内研修を効率的に行う方法

ひとことで研修といっても、情報漏洩リスクの回避や法令遵守を徹底させるためのコンプライアンス研修など実施が不可欠なものだけでなく、従業員のマインドセットや技能の向上を図るスキルアップ研修といった人材育成目的のものまで、その種類は多岐に渡ります。

どれも重要なものではありますが、研修担当者や受講者が研修に充てられる時間には限度がありますし、予算にも限りがあるため、1回1回の研修の精度を上げる必要があります。

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  2. 2. 動画の視聴ステータスや詳細な視聴行動を分析できる視聴解析機能
  3. 3. 研修内容に対するフィードバックを集めるアンケート機能
  4. 4. 研修内容の理解度を測るためのテスト機能
  5. 5. 視聴者が自分の業務スケジュールに合わせて研修を受けられるオンデマンド配信
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