新卒と中途 新入社員研修の進め方の違い
新入社員研修の進め方は、新卒や第二新卒などの若手の場合と中途採用を対象とする場合とで異なります。経験を積んでいる中途社員の場合には、不足する知識を補うスキルセットなどを新入社員研修で学ばせますが、社会人経験の浅い新卒や第二新卒などの若手の場合、スキルセットだけでなく、ビジネスマナーや社会人として必要なマインドセットも合わせて学べるようなプログラムが必要です。
社員研修の基本的な進め方
ここでは、社員研修の基本的な進め方をご紹介します。効果的な社員研修にするためには、事前の準備が欠かせません。具体的には、次のようなステップがあります。
- 1. 社内研修の目的を明確にする
- 2. 社内研修の企画・設計を行う
- 3. 社内研修の実施・評価分析
まず、社内研修の目的を明確にしましょう。会社には経営戦略があり、そこから導き出される必要な人材像があります。求められる人材像と現状の差異から課題が見えてきますので、それを解決する手段として研修を位置づけましょう。
次にポイントになるのが、研修内容の企画・設計です。課題に対してどのような内容が有効か、対象者は誰か、何を目標とするかなどの検討をはじめとして、予算との調整や研修当日に必要なものの手配などを行います。
研修当日は、学習が滞りなく進むよう、研修のサポートに努めましょう。そして研修後は、研修内容が課題解決につながったのか確認が必要です。受講者本人だけではなく、上司や同僚などにもヒアリングし研修の評価を得て分析し、改善につなげましょう。学習内容が定着するようなフォローも不可欠です。
▶ 関連記事:【社内研修の前提知識】効果的な研修の設計手順と施策効率アップのポイント
新入社員研修のプログラム設計のポイント
社内研修のなかでも、各企業で例年実施されるのが新入社員研修です。新入社員研修のプログラムを設計する際、押さえておきたいポイントがあります。
- ・自社に適した実践的な内容にする
- ・自分事として考えられるような工夫をする
- ・オンボーディングを意識する
内容は、自社の特徴を踏まえた実践的なものとします。自分ごととして考えられるような学習方法を選択しましょう。新入社員研修後のフォローや受け入れる側の準備も含めた、スムーズな戦力化(オンボーディング)を見据えた設計がポイントです。
入社員研修の内容の例
新入社員研修に必要な内容は、以下のとおりです。予算やスケジュールなどに応じて、適宜アレンジしてください。
マインドセット
マインドセットでは、学生から社会人への意識の切り替えを促します。ここでは、会社の目的や意義、社会人として果たす役割に加えて、成長や変化を受け入れることも重要だと伝えましょう。
ビジネスマナー
ビジネスマナーに含まれるものには、身だしなみなどのエチケットや敬語、名刺交換、電話応対、来客対応、社会人としての振る舞いなどが含まれます。特に、印象に大きな影響を与える身だしなみや敬語は、重点課題として時間を割くようにしましょう。
スキルセット
マインドセットと対になるのが、スキルセットです。スマートフォンには慣れていても、PCには慣れていない若者が増えています。PC操作やビジネスメールの書き方、社内書類の書き方、報連相など、実務に不可欠なスキルを学ばせます。
コミュニケーション研修
声の大きさやスピード、表情など、相手に自分の意思を伝えるときに注意を払う基本的なことを身につけさせるのがコミュニケーション研修です。相手を否定したり攻撃したりすることなく、自分の意見や考えを伝える方法(アサーション)を習得させることもおすすめします。
そのほかにも、デジタルテクノロジーを使ってビジネスモデルを変革する「DX研修」や企業法令・倫理などの「コンプライアンス研修」、ストレスと向き合う「メンタルヘルス研修」など、適切なものを選択しましょう。
なお、昨今ではオンボーディングという言い方もありますが、この場合は新入社員研修だけではなく新入社員研修を含めた受け入れ態勢や早期の定着化など総合的な施策を意味します。
▶ 関連記事:社内研修の費用相場や項目は? コストを抑える方法や助成金・補助金についても解説
新入社員研修ならではのポイント
既存社員や中途社員と異なり、新入社員研修では特に気にかけたいポイントがあります。
- ・スキルセットよりもマインドセットを重視したほうがよい
- ・既存の社員に「新入社員に求めること」をヒアリングしておく
- ・企業文化や社内理解、コミュニケーションの円滑化が重要
新入社員研修では、スキルセットよりもマインドセットを重視しましょう。生産年齢人口の減少からくる人材獲得競争に加えて、価値観やデジタルスキルの違いからくる世代間ギャップがあります。企業では、管理職の主な担い手とされる団塊ジュニア世代とそれに続くゆとり世代とでは価値観が大きく異なるといわれていますし、Z世代は、生まれたときからPCやスマートフォンに囲まれて育ってきた世代です。
そこで、上司や既存社員などの受け入れ側に対して、新入社員に何を求めるかをヒアリングしておきましょう。具体化しておくことで、新入社員との差異を明らかにすることが可能です。それを埋めるための新入社員研修と考え、新入社員がなじみやすくなるよう計画しましょう。
学生から社会人へのシフトチェンジは、新入社員研修を終えたらすぐに完了するものではありません。新入社員は、組織の一員として挑戦し、得た学びや気づきを経て、成功や失敗を繰り返しながら、少しずつ成長していくと理解することが重要です。
新入社員研修の実施方法
前項のポイントを踏まえて、新入社員研修の実施方法を見ていきましょう。
- ・新入社員の把握と受け入れ側へのヒアリング
- ・新入社員研修プログラムの設計
- ・新入社員研修の実施とフォローアップ
応募書類や選考時の資料を見て、新入社員がどのような経歴や価値観を持つ人物なのか把握します。受け入れ側が望む新入社員への期待を具体化し、両者の違いを明らかにしておきましょう。必要であれば、短期間では養えない力があることや世代差を踏まえたコミュニケーション上の配慮などを受け入れ側に伝えなければなりません。
業界や自社の企業文化や特徴を踏まえ、新入社員研修のプログラムを設計します。基本的な内容は、時間や場所を選ばず繰り返し学習できるe-ラーニングなどで提供するとよいでしょう。ワークショップを取り入れると、新入社員同士の学び合いによる知識やスキルの定着・向上が期待できます。新入社員研修の時点でメンターを決めておき、何かあれば質問できるようにしておきましょう。
新入社員研修では、小テストやレポートなどで理解度を確認するとともに、不安や悩みも聞きましょう。新入社員研修の次は、OJTへと進むのが一般的です。新入社員研修の内容と実績、不安などを受け入れ側に伝え、どのような点に注意してOJTを進めるべきか、あらかじめ連絡しておくことが必要です。
・マインドセット
学生気分から社会人へと意識を切り替えてもらわなければなりませんので、まずは個人と企業のマインドセットの違いを学ばせます。自分の経験の中から企業のマインドセットを感じた瞬間を書かせたり、テキストや動画などで、どちらの言動がどちらのマインドセットかを選択させるテストを実施したりするとよいでしょう。
・ビジネスマナー
型があるものについては、テキストや動画で学ばせるのがおすすめです。敬語の使い方や電話の受け答え、名刺交換などは、ロールプレイングで実際にやらせてみましょう。小グループに分かれて、良かった点と改善点をそれぞれに提案し合えば、実践的な学びにつながります。
・スキルセット
近年の新入社員はPC操作に不慣れといわれます。実際にPCを使ってビジネスメールや社内書類、研修の感想文などを作成させてみましょう。報連相については、ケーススタディなども効果的です。とある場面を例示し、そこでどのような報連相が必要かを考えさせます。ワークショップ形式で、話し合わせてもよいでしょう。
まとめ
新入社員研修は、新たに組織の一員となり一緒に働く仲間を迎える最初の一歩です。必要となるプログラムは、業界や業態、企業によって異なります。効果的な新入社員研修を実施するためには、受け入れ側と新入社員の両方に、それぞれ求められていることがあると伝えた上で、どちらにも歩み寄りを求めましょう。適切なプログラムと実施方法で、新入社員の定着や戦力化を図ってください。
社内研修を効率的に行う方法
ひとことで研修といっても、情報漏洩リスクの回避や法令遵守を徹底させるためのコンプライアンス研修など実施が不可欠なものだけでなく、従業員のマインドセットや技能の向上を図るスキルアップ研修といった人材育成目的のものまで、その種類は多岐に渡ります。
どれも重要なものではありますが、研修担当者や受講者が研修に充てられる時間には限度がありますし、予算にも限りがあるため、1回1回の研修の精度を上げる必要があります。
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