就職氷河期も今は昔。
2022年1月の有効求人倍率は1.02倍と、「求人を出しても応募が少ない」といった問題が生まれています。
少子高齢化社会がますます進むなか、介護業界の有効求人倍率は3.15倍と高い水準を維持しており、依然として引く手あまたといった状態です。
レバレジーズ株式会社の調査によると、就職活動時にスマートフォンで情報収集を行うと回答した人が55%、YouTubeで企業公式チャンネルの動画を見ると回答した人が56%と過半数を占めています。
売り手市場と言われる介護業界において、求職者に刺さる採用動画とはどのようなものなのでしょうか?
今回は、動画広報ソリューションの動画制作ディレクション担当の都筑に、最新の介護業界のYouTube採用チャンネルの動向と、採用動画の勝ちパターンについて話を伺いました。
目次
- 1:ネガティブイメージが根強いからこそ、社会貢献性の高さで魅力を伝える
- 2:求職者と利用者。採用動画なら、どちらにも有益な情報提供が可能に
- 3:「おうちでできる介護方法」など、直接採用に繋がらない動画も効果的
- 4:採用動画を取り入れている介護施設は一握り。早期スタートで差別化を!
ネガティブイメージが根強いからこそ、社会貢献性の高さで魅力を伝える
―介護業界と一括りに言っても、施設介護職員、介護職員(ホームヘルパー)、介護助手・介護補助、ケアマネージャー(介護支援専門員)、看護職員、介護事務など、その職種は多岐に及びます。非常にニーズが高い一方で、常に人手不足と言われているイメージが強い介護業界ですが、実態はどのようになっているのでしょうか?
都筑:介護業界は、日本の高齢化社会が進む中で、誰もが利用する可能性のある業界です。
それにもかかわらず、「仕事が大変そう」「体力勝負」「職場内や利用者との人間関係」など、マイナスなイメージが先行しており、常に人材不足が叫ばれています。
一方で、利用者やそのご家族からいただく感謝の気持ちや、社会貢献性の高さも特出しています。
ネガティブイメージを超える介護業界で働く人のやりがいや達成感を、採用動画を通じて求職者の方にきちんと伝えることが大切になります。
<介護業界の主な求人>
職種 | 業務内容 |
---|---|
訪問介護要員 (ホームヘルパー) |
利用者の居宅に訪問し、日常生活の援助などの介護サービスを行う |
施設介護職員 | 介護現場で利用者の介助や身の回りのお世話などの実務を行う |
介護助手・介護補助 | 食事の配膳やベッドメイキング · 掃除や片付けなど · 備品の準備など、介護職員をサポートするスタッフ |
施設介護職員 | 介護現場で利用者の介助や身の回りのお世話などの実務を行う |
ケアマネージャー (介護支援専門員) |
介護が必要な人が介護を受けられるように、 ケアプランの作成を行う |
看護職員 | 施設に入居している高齢者の健康管理や、薬の管理を行う |
介護事務 | 受付業務、介護報酬請求業務(レセプト作成)を行う |
運転手 (介護ドライバー) |
介護施設の利用者を車に乗せて、施設~自宅間の送迎を行う |
福祉用具専門相談員 | 福祉用具や介護用具をレンタル・販売時に、選び方や使い方について相談を受け、アドバイスする |
相談支援専門員 | 障がいを持つ方やその家族の相談に応じる |
責任者(施設長) | サービス管理: 介護サービスなどの提供状況・品質の把握・感染症などのリスク管理・指導、改善、体制構築・トラブル・クレーム対応 · 財務管理を行う |
―これだけ多くの人たちが関わり、私たちの誰もが将来お世話になる可能性のある介護業界の「意義」と、「やりがい」、「社会貢献性の高さ」は確かにもっと積極的に伝えていきたいポイントのひとつですね。
求職者と利用者。採用動画なら、どちらにも有益な情報提供が可能に
都筑:例えば、若手スタッフによる施設案内や、入居フローの紹介、実際の職場で1日の業務の流れを見せるような動画も、未来の同僚の顔が見え、労働環境や就業イメージが付きやすいのではないでしょうか。
スタッフや看護職員、介護事務など、多くの職種の方と連携して働いていくことが必要な介護業界で長く働くためには、利用者のみならず、そこで働く人との関わりも非常に重要になってきます。人がサービスの要となる業界においては、採用動画を活用することで、その魅力を具体的に伝えることができる有効な手段だと考えられます。
―最初から求職者に特化したコンテンツを制作するのではなく、利用者と求職者の双方にニーズがある内容を1本の動画で紹介できるのは嬉しいメリットですね!
都筑:そうですね。介護業界と言っても、「特別養護老人ホーム」、「介護付き有料老人ホーム」、「サービス付き高齢者向け住宅」、「グループホーム」、「デイサービス」など、介護重度やコストに応じた様々な施設があります。
これらの違いを利用者の方に分かりやすく解説する動画も、「利用者」「求職者」のどちらにも響くコンテンツになるかと思います。
実際に採用動画を活用されている施設の事例では、現場の職員の方が自分たちで台本を作成し、施設紹介をしているコンテンツがありました。手作り感と親しみを感じられる内容で、働く人の雰囲気も伝わり、同時に利用者の安心感も得られるのがポイントですね。
―分かりにくい専門知識が多いからこそ、求職者と利用者のどちらにとっても役立つコンテンツ作りが鍵になりそうです。
「おうちでできる介護方法」など、直接採用に繋がらない動画も効果的
―その他にも、採用の観点で他社に差をつける動画制作のポイントはあるのでしょうか?
都筑:例えば、「おうちでできる介護方法」や「利用者が楽しめるレクリエーション」など、一見、直接採用には繋がらないと思える動画も実は効果的です。
その理由としては、自宅でも介助が必要な方への専門的な情報提供はもちろん、そこで働く人の自然な姿が垣間見え、職場の雰囲気が動画から見て取れるといったメリットがあります。
―実際に自宅でも利用可能なテクニックやレクリエーションを、介護のプロが紹介するコンテンツは今後もますますニーズが高まりそうですね。
採用動画を取り入れている介護施設は一握り。早期スタートで差別化を!
―介護業界での採用動画は実際にはどのくらいの企業が取り入れているのでしょうか?
都筑:慢性的な人手不足が叫ばれている介護業界においては、採用動画はまだまだはじまったばかりと言えそうですね。
現状のYouTubeにおいては、どちらかと言うと会社説明会で使う企業紹介動画や、CM動画などがアップされている状況です。今から始めることで、他社と差別化を図ることができるかと思います。
従来、口コミでしか伝わらなかった施設での日常生活がわかる動画や、社会貢献性の高さ、やりがいをくすぐるようなコンテンツをコンスタントに作り、打ち出していくことが重要です。
―見えにくい労働の実態や、ロールモデルの少なさ、離職率の高さといった課題に応じて、採用動画を作成していくことが大切ですね。
都筑:日々の業務で手一杯になりがちな業界こそ、早期に採用動画に取り組むことで施設の実態を知っていただき、結果的に採用マッチング向上や離職率の低下にも繋げることができるのではないでしょうか。人がサービスの要となる介護業界こそ、施設の雰囲気や職場環境を動画によって魅力を伝え、継続的に発信をしていくことが大切になると思います。
―日々の業務で手一杯な場合は、プロの力を借りるなど、課題解決になる採用動画を発信し、未来に投資する。コンスタントな発信が、利用者・求職者の安心感に繋がりますね。採用動画は介護業界のこれからに欠かせないものになりそうです。今回もありがとうございました!
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