企業が成長し新たな社員が増えるなど、組織が拡大することで直面する課題。それは、「組織がなかなかまとまらない」ということではないでしょうか。
経営者はもちろん、部長・課長といった管理職クラスでもこうした悩みを持つ方は多いでしょう。
「社員がすぐに退職してしまう」「マネジメントがうまくいかない」「メンバーのモチベーションが上がらない」という問題は、経営理念や企業理念が社内にしっかり浸透していないことが根底にある可能性があります。
近年、経営理念や企業理念を社内外のステークホルダーへわかりやすく提示する目的で、「ミッション」「ビジョン」を表現する企業が増えています。とはいえ自身の会社が定義している「ミッション」「ビジョン」について何となく知っている程度、という方が多いのではないでしょうか。
そこで強い組織作りに欠かせない「ビジョン」「ミッション」のそれぞれの定義や役割について、また、「ビジョンドリブン」な企業・組織は強いのかについて、この記事で解説していきます。
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強い企業・組織づくりに欠かせない「ビジョン」「ミッション」とは
ビジョンドリブンな組織とは、いったいどんな組織なのでしょうか?それを知るために、ここではまず、よく混同されがちな「ビジョン」「ミッション」という言葉について解説していきます。
「ビジョン」「ミッション」はもともと「マネジメントの父」とも呼ばれるピーター・F・ドラッカーが提唱した概念です。ドラッカーは、企業のコンセプトや事業の最も根底にあるものを、使命(ミッション)、ビジョン、価値(バリュー)であると提唱。この考え方は多くの企業に広まり、企業理念や経営理念、行動指針などに活用されています。
ビジョン」の定義
「ビジョン(Vision)」は元来「未来像、展望」などの意味を表しますが、経営理念や企業理念においては「事業を通してどんな未来をつくっていきたいか」「この先どんな企業になることが理想か」を言語化や視覚化したものを言います。「ビジョン」を掲げることでゴールとなる理想の会社像を共有できれば、すべてのメンバーが同じ目的をもって仕事ができるようになるのです。
「ミッション」の定義
ミッション(Mission)はもともと「使命」という意味で、経営理念や企業理念におけるミッションは「企業が果たすべき使命」となります。つまり「企業が何を目的に事業を遂行しているのか」、「何のために社会に存在しているのか」を表すものがミッションです。
「ビジョン」「ミッション」については、企業によって解釈が異なるため、それぞれの違いがややわかりづらいという課題もあります。
さらに「ビジョン」と「ミッション」はコンセプトのように抽象的な表現の企業も多く、その役割は混同されがちです。まずは「ミッション」と「ビジョン」の違いを解説するために、例としてGoogle社の「ビジョン」と「ミッション」をご紹介します。
・Google Vision Statement=
世界の情報に1クリックでアクセスできるようにすること
・Google Mission Statement =
世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること
(引用元:https://www.comparably.com/companies/google/mission)
Google社の掲げるビジョン・ミッションは一見同じことを言っているようにも思えます。しかし、ブレイクダウンして見てみると、
・ビジョンは「この先企業が成長して実現させたいこと」
・ミッションは「今やるべきこと」
にフォーカスしているという違いがあります。まず企業に根本的な「ミッション」があり、そのために行動、成長して、理想である「ビジョン」を実現する、という順序となっているのです。
目指す未来(ビジョン)を実現するために、いま果たすべきミッション(使命)を愚直に遂行していく。そういった組織が「ビジョンドリブン」な企業であり、組織と言えるでしょう。
なぜ、ビジョンドリブンな組織が強いのか
企業理念や経営理念を表す「ビジョン」「ミッション」。なかでも、なぜ「ビジョンドリブンな組織」は強いと言われるのでしょうか。
いくつかの理由が挙げられますが、最も重要なのはビジョン・ミッションが業績に影響するということでしょう。ある調査結果によれば、企業理念の浸透している企業の約7割が、直近5年の業績が向上していると言います。つまり企業として成功するためには、ビジョン・ミッションをもとに企業理念を社内に深く浸透させることが必要、とも言えるのです。
では、ビジョン・ミッションと業績には、なぜ関連性があるのでしょうか。これには以下の3つの要因が考えられます。
- ・多様化する社員やメンバーマネジメントがしやすくなり、自走する社員が増える
企業のグローバル化やオープンイノベーション、さらにはリモートワークの普及で以前にも増して企業活動には、多様な人材が多様な働き方で関わるようになってきています。そのなかで、プロジェクトを遂行していくメンバーが同じ目的、方向性を持たないと、バラバラなことをしてしまいマネジメントが難しくなります。組織内外のメンバーの多様化が進む中でも、ビジョン・ミッションによって目標や行動指針が明確になっていれば、自律・自走しやすく、マネジメントしやすい環境構築にもつながるでしょう。
例えばビジョン・ミッションが社内でしっかりと共有・浸透できていれば、業務の目的や目指すものが明確になります。さらに仕事を実践する上での行動指針もあるため、細かい指示を出さなくても社員ひとりひとりが判断できるようになります。その結果社員のモチベーションが上がり、成長につながるというわけです。反対にビジョン・ミッションが社員に浸透していないと、常に部門長やトップに意見を聞いたり判断を仰いだりすることが増えてしまいます。こうなると社員のモチベーションが下がるだけではなく、事業を進めるスピードが落ち業績低下につながる可能性もあります。
- ・社員のエンゲージメント向上につながる
近年の企業経営において「エンゲージメント(engagement)」に注目が集まっています。「エンゲージメント」とは、メンバーが組織に愛着心を持ち、組織とメンバーでの相互理解ができていることを言います。実はビジョン・ミッションは、エンゲージメントに大きな影響があると言われています。ある調査によれば、「社員のエンゲージメントに影響を強く与えると思う要素は?」という問いに対して、「共感できる企業理念やミッション・ビジョン・バリュー」という回答が51%と1位になっています。
エンゲージメントが高ければ、社員は会社に愛着心や思い入れがあるということ。つまり離職率が低くなる効果も期待できます。またエンゲージメントが高いという事実は、採用活動にも役立ちます。つまり人事戦略を成功させる上でも、ビジョン・ミッションは重要な要素と言えるわけです。
先述したGoogle社の場合、ビジョン・ミッションを明確に設定して社内に浸透させることに成功しています。わかりやすい「ビジョン」「ミッション」があることで、組織の役割や本来の目的が明確になり「ビジョン実現のためにこういった取り組みをしていこう」と、内発的な動機も生まれやすく、モチベーション向上にもつながります。
実際にGoogle社はエンゲージメントの高い企業としても知られていて、ダイヤモンド社の「社員の「エンゲージメント」が高い企業ランキング」で2位に。このエンゲージメントが高い理由のひとつは、「ビジョン・ミッションをしっかり社内に浸透させている」からだと言えるのではないでしょうか。
- ・経営者と社員・メンバーが対等に議論でき、風通しがよくなる
「ビジョン」「ミッション」を社内で共有できていれば、社員から経営者や部門長などのトップに進言するなどボトムアップなチームをつくることも可能になります。例えばトップや上司の意見に納得がいかない場合でも、役職や入社時期などの順序を気にして言いづらいこともあるでしょう。しかし、社内に明確なビジョン・ミッションがあれば、「ビジョン・ミッションにそぐわない」という理由で意見をしやすくなります。フラットな社内環境にする目的でもビジョン・ミッションを活用することもできるのです。
ビジョンドリブンなチームをつくるために
ここまで、ビジョン・ミッションの定義についてや、なぜこれらが強い組織づくりに繋がってくるのかについて、解説してきました。そして、これらを社内に浸透させるために経営者やマネジメント層が行うべきことで代表的なことは下記の5つです。
- ・会社の方針や戦略がビジョン実現に結びついているかを常に確認する
- ・経営者やマネジメント層が日頃からビジョンについての思いや戦略を語る
- ・全員が必要な情報を手に入れられるようにオープンになっている
- ・役員やマネージャーの判断基準が明確になっており、従業員も理解できている
- ・ビジョン実現のために従業員それぞれの役割について理解できるまで上司が説明している
テレワーク時代の「ビジョン」の共有には「動画社内報」も有効
コロナ禍におけるテレワークの継続ならびに定着により、社員とのエンゲージメント向上に課題を感じる企業も増加傾向にあると言われています。その背景に上層部からのビジョンや方針が伝わらない、チーム間の連携が取りづらい、社員の一体感やロイヤリティが上がらず離職が増えるなどテレワークによるコミュニケーション不足などがあげられます。
このテレワーク時代に社員のエンゲージメント向上のためにも、ビジョンの伝達は必要不可欠。その手段として、社内報の価値が見直させていると言われていますが、なかでも「「動画社内報」は動画によって感情やパッションを伝えることで興味や共感を得たり、動きや音声を活用することでより理解しやすく伝わるコンテンツとして成果が上がっています。
特にYouTubeなどの動画を閲覧することが当たり前になった世代などは活字離れも相まって動画活用が必須になりつつあります。ビジョンドリブンな組織へと進化していくために、ビジョン伝達のひとつの手段として、「動画」を選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。
『つたわる×つながる×シェアする』をコンセプトに、テレワーク時代における動画活用で従業員のエンゲージメントを高める「動画社内報」サービスです。
国内700社以上の導入実績のある動画配信システム「millvi」で、動画によるコミュニケーションが可能な社内報システムのご提供から、動画制作サービス、活用支援コンサルティングまでお客様を支援いたします。