【VLSIシンポジウム様】配信トラブルゼロ。オンライン学会を成功させたmillviポータル導入の裏側

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VLSIシンポジウム様

INDEX
  1. 半導体分野における世界トップレベルの研究成果が披露されるVLSIシンポジウム
  2. プログラム構成やQ&Aなど、オンライン学会ならではの課題が浮き彫りに
  3. 国内外のベンダー数社と比較検討を実施
  4. 英訳、Q&A機能、事前リハーサル。柔軟なカスタマイズと運用サポート
  5. 「配信トラブルが一切なかったことに、驚きと感謝」
  6. 求めていたのは「建築会社」ではなく、「ゼネコン」のような配信パートナー

お客様インタビュー

半導体分野における世界トップレベルの研究成果が披露されるVLSIシンポジウム

ー:VLSIシンポジウムについて教えてください。

高宮 真 氏(以下、敬称略):国際学会であるVLSIシンポジウムは、VLSI(Very Large-Scale Integration:超大規模集積回路)と呼ばれる半導体デバイス・プロセス技術と半導体回路技術に関する世界トップレベルの学会です。この分野における最先端の研究開発成果を披露する場であり、世界中の企業、ないし大学関係の研究者がこの学会での発表を目指しています。 学会を運営する委員会は日本とアメリカで共同で運営されており、委員会の構成員は120名前後です。2021年の規模では、23ヶ国からおよそ1,350名もの参加がありました。 2020年に40周年を迎えたこのシンポジウムの特徴として、研究成果の発表だけでなく、参加者同士の交流も重視していることが挙げられます。伝統的に観光地である京都とハワイで交互に開催されてきまして、それにあわせてシンポジウムの主催も日本とアメリカの持ち回り制でした。

ー:VLSIシンポジウム委員会での役割を教えてください。

高宮:2021年は日本側の委員会が主催ということで、私はバーチャルアレンジメントチェアという役職を仰せつかりました。この役職は今回から新設されたものでして、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、バーチャル上の準備から進行を担当します。まったく前例がない仕事でありまして、2020年の秋頃よりゼロの状態から手探りで進めてきました。 私自身、この1年でさまざまなバーチャル学会やオンラインセミナーに参加してきましたが、国境の壁が思いの外高いものでして……。そこで国外からの参加にも対応できるシンポジウムを実現するため、パートナー企業探しから始めることになりました。

プログラム構成やQ&Aなど、オンライン学会ならではの課題が浮き彫りに

ー:シンポジウムの開催にあたり、どのような課題があったのでしょうか。

高宮:2020年のハワイ開催もバーチャル開催だったのですが、アメリカ側の委員会がすべて仕切っており、そこで使用されたプラットフォームは日本からは使えないと判明したため、完全にゼロからのスタートとなったことが大きな課題でした。 2020年の6月開催というコロナ禍のギリギリなタイミングだったため、突貫工事でなんとか開催できただけで大成功でした。ただその反面、さまざまな反省点も明らかになったのです。 まずはプログラムです。2020年は時差を考慮し、バーチャル用のプログラム構成だったのですが、それが分かりにくく……。学会開始と同時に動画がオンデマンド配信されたのですが、それと同時にライブセッションによる質疑応答も開始されたのです。録画された動画を見ている時間もないのに、いきなりライブ配信による議論を始められても混乱してしまいます。そこで今回は、コロナ禍以前に近いプログラム構成に戻しました。 配信ツールにおける課題もありまして、具体的にはQ&Aの仕組みが使いにくかったのです。アメリカの企業が開発したプラットフォームでは、動画再生ページ内にチャットのボックスがあり、そこにコメントしていくのですが、特定のコメントに対する返信という形式にできなかったのです。

国内外のベンダー数社と比較検討を実施

ー:国内のパートナー企業探しはどのように進められたのでしょうか。

高宮:シンポジウムの事務局運営には、VLSIシンポジウム事務局(以下、VLSI事務局)にご協力いただきまして、配信業務のパートナー企業を選定、ご提案いただきました。 以下の内容がご依頼したツールの機能要件です。 ・シンプルで迷わないUI ・シンポジウム開始以前からオンデマンド動画を閲覧できること ・論文PDFがダウンロードできること ・質問に対するスレッド形式で回答できること 上記のようなツールのカスタマイズ機能だけでなく、パートナーとして一緒に並走してくださる企業がよいとVLSI事務局さんにアドバイスいただきました。というのも、事務局の人数は限られているため、事務局が直接手を動かさないほうがよいだろうとの結論になったのです。

VLSI事務局:まずはアメリカのベンダーに打診したのですが、担当者のレスが遅かったり、予算が膨らみすぎたり、二度も打ち合わせをスキップされてしまったりと、お取り組みするにはリスクが高いと判断しました。 そこから国内ベンダーを探す中で、3, 4社と比較検討しエビリー社の「millviポータル」の導入を決定しました。

ー:お取り組みの決め手をお聞かせください。

VLSI事務局:ツールのカスタマイズができる柔軟性も高評価でしたが、一番はライブ配信のサポートまでしていただけることでした。実際のライブ会場には事務局とエビリー社さんのご担当者、あとはテクニカルスタッフさんに来ていただき、高宮先生を始めとした委員会の方々はご自宅から視聴し、セッションに登壇いただくだけの体制です。 これが他社の場合、プラットフォームとライブ配信のサポートは別々になってしまうため、コミュニケーションコストがかかります。一気通貫でお願いできたことで、事務局の負担を大きく減らすことができました。

英訳、Q&A機能、事前リハーサル。柔軟なカスタマイズと運用サポート

ー:お取り組みの詳細をお聞かせください。

VLSI事務局:まずは英訳対応を行ないました。そのままの「millvi ポータル」ですと英語に変換しきれなかったため、エビリー社の方にサイト内のテキストをリストアップしていただき、弊社で英語への翻訳を行なっています。 アカウント設計に関しては、1つのアカウントで1つのデバイスからしか視聴できないようにしています。参加費も安くないため、アカウントの共有による、いわゆる“ただ乗り”を防ぐためです。 高宮:前回の反省を活かし、シンポジウム開始の2週間前からオンデマンド動画を視聴できるようにしたこと、そしてQ&Aの機能によって、ライブ配信のディスカッションがより有意義になりました。 また、従来のシンポジウムでは参加者の交流も重要な要素でしたので、他社が提供する「Gather(ギャザー)」というバーチャル上のコミュニケーションツールを導入しまして、うまい具合に「millvi ポータル」の中へ取り込んでいただきました。その結果、動画視聴から違和感なく、交流ページへログインできるようになったのです。コロナ禍前のシンポジウムを少しでも再現するような、よい工夫でした。

ー:ライブ配信の詳細をお聞かせください。

高宮:ライブ配信本番の前々週には、Zoomのコネクションチェックと配信者の設定確認を兼ねて、事前リハーサルを行なっていただきました。急遽のお願いでしたが柔軟に対応いただけてよかったと思います。 配信当日はライブ配信の開始をアメリカ時刻に合わせていたため、日本では早朝6時台からの配信となりました。セッションの30分前にはスタッフの方々が準備を進めており、日本の委員会メンバーは自宅から安心して視聴することができましたね。 その際にオペレーション上の工夫として、インターネット上のタイムラグ(30秒前後)を考慮して質疑応答を行なうように指示していただきました。

「配信トラブルが一切なかったことに、驚きと感謝」

ー:お取り組みのご感想をお聞かせください。

高宮:私自身もさまざまなバーチャル学会に参加してきましたが、どんな学会でも大なり小なりのトラブルが必ず起きていました。しかし今回の運営では、想定外の配信トラブルが一切なかったという点は、非常に驚くと同時に感謝しております。参加者のITリテラシーが高く、企業の方々も多く参加されている中で、およそ1,350名からの要望に耐えうる体制でした。 海外の参加者からも「非常に画質もよく、迷わない画面構成だった」「定刻にライブ配信が始まって、定刻に終わった。テレビ放送のように正確で、さすが日本だね」という評価をいただきました。秒単位かと思うくらい正確に始まったので、これはスタジオのご努力の賜物だと思います。

ー:定量的な成果をお聞かせください。

高宮:参加者数およそ1,350名という数字は、2年前の京都開催からやや増えています。また、ライブ配信後も動画を視聴できる状態ですので、いつでもシンポジウムに参加できることは参加費の面から考えてもよいことだと思います。

求めていたのは「建築会社」ではなく、「ゼネコン」のような配信パートナー

ー:お取り組みに対する総括をお聞かせください。

高宮:当初は単に配信ソフトウェアを選定するイメージだったのですが、最終的に欲しいのはシンポジウムを世界へ配信するWebページ全体であると、途中で誤りに気づきました。建築に例えるなら、単に建設だけを請け負う「建築会社」を探していたのではなく、ビル建築に関わるすべてを一気通貫でサポートしてくれる「ゼネコン」のような動きをしてくれるパートナーを探していたのです。 そうした意味で、エビリー社はゼネコン的に動いていただき、我々が求めるプラットフォームを納品してくださったと思います。

ー:今後の展望をお聞かせください。

高宮:VLSIシンポジウムは長年のファンもいらっしゃる、同窓会のような情報交換の場でもあります。今後もオンライン開催となっても、伝統的な雰囲気を大事にしていきたいですね。そのために2年後の日本開催の委員には、今回の学びやノウハウを引き継いでいます。 VLSIシンポジウムとして、引き続き半導体、ICチップの製造及び設計に関する重要な技術を、世界中の人に発信するという目的を堅持し、今後も開催していきたいと思います。

お客様プロフィール

会社名
VLSIシンポジウム様
業種
その他(業種)
目的
協会・業界団体の情報提供をしたい
URL
https://www.vlsisymposium.org/

事業概要

日本とアメリカが共催する、半導体分野における世界トップレベルの学会、VLSIシンポジウム。この分野における最先端の研究開発成果を披露する場であり、世界中の企業、ないし大学関係の研究者がこの学会での発表を目指しています。

今回ご利用頂いたサービス

millviポータル

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