【株式会社ネイルセレクト様】ネイリスト養成に動画を初めて活用したアフターコロナ戦略に迫る

ー：貴社の事業についてお聞かせください。

三宅 竜司 氏（以下、敬称略）：ネイルセレクトはジェルネイル『para gel』中心とした、ネイル製品のメーカーです。会社のコンセプトとして、「売れるネイリスト、売れるネイルサロンを作る」をテーマにしており、ジェルネイルをただ単に売るのではなく、ネイリストとネイルサロンをしっかりとサポートしていく方針で事業を展開しています。ジェルネイルの製造・販売、ネイリストの教育、ネイルサロンの販促サポートが具体的な業務内容です。 以前はヘアサロンのディーラーをしていたのですが、エステでどのくらい変化があったのかが髪よりも分かりやすく、より手軽に印象を変えられる点を魅力に感じたことからネイルセレクトを創業しました。

ー：「売れるネイリスト、売れるネイルサロンを作る」という方針の背景を教えてください。

三宅：1番大きな目的としては、ネイリストという職業の価値を上げていきたいのです。「職業の価値を上げる」とはつまり、たくさんのお客様から支持されるネイリストを増やしていくことです。そのために我々はメーカーではありますが、売れるネイリストを育てるため、サロンサポートを行なっています。

ー：サロンサポートでは具体的にどのようなことを行なっているのでしょうか。

三宅：ネイルサロンの運営や『パラジェル』を扱う基礎技術を学ぶため方から、エデュケーター（講師）を目指す方への自社アカデミー『paragel Academy』を開催しています。生涯ネイリストを楽しんでいただくため、全国のプロのネイリストが集い、技術や施術方法、顧客満足度をアップさせる方法を共有しています。その他にも、売上の最大化に貢献するためのサポートや自社ツールをご提案しています。現在、弊社の定期セミナーを受講されているパラジェル登録サロンは約2000軒、そのうち認定サロンに関しては190軒ほどの規模までに拡大しています。

海外展開と理解度の促進を目的に、動画施策を実施

ー：コロナウイルスの感染拡大でどのような課題が出てきたのでしょうか。

三宅：直接会って教えることが難しくなり、リアルでの研修、セミナーは自主期間中は止めることになりました。それまでほぼすべて対面で教えるという研修形態でしたので、オンラインの環境でも研修やセミナーをすぐにできないかと急遽模索していくことになりました。 ただ、動画を配信してオンラインで授業をするというアイデア自体は以前から構想は存在し、そこには2つの要因があります。 まず1つ目は、海外で活動しているエデュケーターの存在です。アメリカや中国、台湾、韓国の4ヶ国で弊社のエデュケーターがネイルサロンを開いており、その方への研修を行うために弊社の社員が直接海外へ赴いていました。デモンストレーションを見せる必要もあったので直接会ってはいましたが、海外への交通費のコストもかかるため、動画配信での講習実施も去年から考えていたのです。 また、もう1つの要因として、セミナーや研修ででお伝えした内容の理解度をさらに上げるような仕組みを構築したかったことが挙げられます。オフラインの研修であれば伝えられる情報量は多いのですが、基本的に復習したり、振り返ったりすることができません。『paragel Academy』の価値をさらに上げるためにも、受講内容の動画を配信したり、いつでも講義の内容を振り返れる会員制のサイトが作りたいと考えていました。この2つの背景と、今回の新型コロナウイルスへの対応が重なり、オンラインでセミナーの動画を配信できる環境を整えることになりました。

動画の出し分け、スピード感が導入の決め手に

ー：「millvi ポータル」を導入いただいたきっかけと比較検討の実施についてお聞かせください。

ITに慣れていなくても「非常に使いやすい、わかりやすい

ー：「millvi ポータル」導入後の経緯についてお聞かせください。

松村 阿美 氏（以下、敬称略）：導入後は弊社担当の方に強くサポートしていただき、何度も助けていただいたので、非常にありがたいなと思っています。 私自身、こうしたWebを活用した業務は右も左も分からない状態でして、動画を触ったことがなければ、周りの社員もいわゆるITには慣れていない者がほとんどでした。そこで動画のアップロード方法やシステムの使い方を教えていただき、さらには動画制作についても勉強会という形で撮影の仕方から学ばせていただきました。 私も大急ぎで動画編集ソフトをダウンロードし、がむしゃらに動画編集技術を身につけました。テロップ1つ入れるだけでも、こんなに時間がかかるのかと驚きましたね……。4月1日になんとか動画の配信をすることができました。現在では３名ほど動画編集ができる社員がおりまして、分業して動画の編集ができるようになりました。

ー：配信開始から2ヶ月の6月現在、何本の動画を公開されているのでしょうか。

松村：確認したところ、67本がアップロードされている状態です。チームで手分けしながらコツコツとアップしていきました。 実際に配信している動画はネイル技術の動画が多く、講習の内容を動画に落とし込んだものがほとんどです。あとは、政策発表会で発表した今年度の弊社の事業戦略も、ネイリストのみなさんがいつでも見られる状態で配信をさせていただいております。

ー：動画を視聴されているネイリストさんからの感想についてお聞かせください。

松村：現在のアカウント数はおよそ200弱となっており、あるネイリストの方から、動画だと非常に分かりやすく便利だ、という感想を直接いただきました。特にエデュケーターの方に対しては、ネイル講習の進め方や具体的な教え方を配信しているため、社内向けの講習動画のような使い方をしていただいています。

ー：松村様をはじめ、社内でのツールの使用感に関するご感想をお聞かせください。

松村：「非常に使いやすい、わかりやすい」という第一印象でした。1回レクチャーされれば、ITに慣れていない社員でも使えるものだと思います。私たちは本当にITに弱かったので、一連の作業に慣れるまでご担当者さんがメールや電話で丁寧に対応してくださり、本当に助かりました。

コロナ禍で新しいPRを模索。動画をきっかけに世界展開も

2019年7月NYにて開催したパラジェルインストラクター認定テストの様子

2019年11月開催されたネイルエキスポの様子

ー：今後の展望についてお聞かせください。

三宅：ネイル製品のメーカーである弊社にとって、展示会の開催が不透明になったことは影響が大きいですね。今後、新しいPRの仕方も考え直す必要があります。 そうした中で、オンライン化も今後は進めていきます。特にネイリスト育成のあり方を見直しながら、「リアル」「オンライン」「Webアカデミー」という3本柱で今後は展開していく予定です。ネイルという技術を伝えるためには、全部の施策をオンラインで完結させることは不可能です。 「リアル」「オンライン」「Webアカデミー」、それぞれの特徴をうまく活用しながら、「売れるネイリスト、売れるネイルサロンを作る」ための教育を引き続き手掛けていきたいですね。 そして動画をきっかけに、世界展開も視野に入れていきたいですね。海外で活躍されているネイリストもおりますので、社員が海外にわざわざ行かなくてもサポートできるような教育システムを構築していければと思っています。

ー：ありがとうございました。