社員の多様化や人材の流動化が進み、さらにはコロナ禍でのリモートワークの普及で、これまで以上に社内に蓄積されている優れた「ナレッジ」を活かして生産性を向上させていく必要性が高まってきています。
しかし、ナレッジは相手に伝えづらいものであるため、一部の優秀な社員にとどまっていることが少なくありません。そこで、各社員が保有している知識を社内で共有して、業務効率化に活かす「ナレッジ共有」という考え方が生まれました。
今回は、そもそものナレッジの意味や社内でナレッジ共有を行うメリットなどをご説明していきます。
<キャンペーン情報>
今だけお得なキャンペーン開催中!詳細は↓をクリック!
ナレッジシェア(共有)とは
ナレッジは、大きく2種類の形に分けることができます。この2種類のナレッジは、それぞれが全く無関係に用いられるわけではありません。両者の関係を正しく把握しておくことがこれから解説していく話を理解するための出発点になるため、しっかりおさえておきましょう。
・暗黙知
「暗黙知」とは、やって見せることはできるものの、言葉にして説明するのが難しい知識や経験のことをいいます。職人の勘や、トップセールスの営業スキルを思い浮かべると分かりやすいでしょう。
暗黙知は、個人の元々のスキルや経験から培われることが多いことが特徴です。したがって、そのままでは他人に伝授することが難しい、つまり属人化しやすいため、いくら優れたスキル・ノウハウであっても広く組織で活用することは困難でしょう。
・形式知
そのままでは共有が難しい暗黙知を言語化・マニュアル化し、組織全体で活用できる形に変換したものが「形式知」と呼ばれます。
現代のビジネス環境は、ベテランの持つ暗黙知を新人が時間をかけて身につけていくといったこれまでのスキル・ノウハウの継承手法をとりづらいといえます。企業が生き残りをかけて業績の維持・拡大を図っていくには、新人社員に効率よくベテランのナレッジを共有する必要があるのです。
ナレッジ共有とは、この形式知化の仕組みのことです。次章からは、ナレッジ共有について詳しく解説していきます。
ナレッジ共有を社内で行うメリット
社内でナレッジ共有をする目的は、企業が置かれた環境や抱える経営資源によりさまざまでしょう。ここでは、多くの企業で挙げられる目的3つをご紹介します。
・業務効率化、生産性向上
ナレッジ共有では、社内の誰かが編み出した優れたスキルやノウハウを形式知化することにより、業務における確度の高い成功法則、いわば「黄金律」を組織として手に入れることができます。
形式知化により再現性が高められたこの黄金律を組織として活用すれば、社員の経験やスキルレベルに関係なく業務の効率化が実現できます。
これまでのように、一握りの優秀な人材がもたらす成果に頼った組織運営から脱却し、少ない人員や流動性の激しい職場であっても、成果を生み出し続けていくことが期待できるでしょう。
また、業務効率化をもたらすのは、成果につながるナレッジだけではありません。「失敗を積み重ねることでしか成功は得られない」といわれますが、顧客のクレーム事例やシステム障害をもたらした事例など、多くの失敗事例を類型化し、失敗・トラブルを防ぐ観点からのナレッジ共有に取り組むことも大切です。
・業務の属人化を防ぐ
人材の入れ替わりが激しい昨今、企業はできるだけ育成期間を短縮して社員をスキルアップさせ、即戦力として人材を活用していく必要があります。
優秀な社員が持つ優れた知恵やスキルを形式知化(ナレッジ化)して、社内で共有できれば、新人はもちろんスキルアップを図りたい中堅社員など、社内の誰もが業務に役立てることができるようになります。このようなナレッジ共有が繰り返されることにより、人材育成が社内でスピーディーに進んでいきます。
新入社員の早期の独り立ちや、伸び悩んでいた社員の成長が見込めるため、社員間の能力差が埋まり、社内全体の業務レベルの底上げが期待できるでしょう。
さらに、ナレッジは、暗黙知のときについて回った属人化を克服することができるため、業務の担当者を急に変更することになったとしても、他の者が質を損なうことなく引き継ぐことも可能になります。
・他部署との連携強化
組織は、大きくなるほど他部署との連携が取りにくくなるものです。しかし、社内でナレッジを共有することで、部署間の連携が取りやすくなるだけでなく、さらに連携の強化を目指すことができます。
ナレッジを共有することで、他部署が保有していた知識を社内のどこからでもリアルタイムで確認できるようになります。すると、他部署間の社員同士でも同じ目線で会話ができるようになり、スムーズなコミュニケーションが実現するでしょう。
様々な部署・社員の間で情報交換意欲が高まることにより、ナレッジの質をチームとして向上させていこうという連帯意識が社内に醸成され、連携の強化を図ることができます。
ナレッジの共有により連携が強化されると、部署の垣根を越えた協働により新たなアイデアが生まれやすくなるので、企業の競争力が高まるでしょう。
ナレッジシェアの4つの例
ナレッジシェアのタイプを大きく分けると4つに分類でき、そのタイプは「成功事例のシェア」「専門知識のシェア」「知的資産のシェア」「顧客情報のシェア(顧客に関する知識のシェア)」です。
こちらでは、4つのタイプをご紹介していきます。
① 成功事例のシェア
企業内の部署内における過去の成功事例をスタッフでシェアする。または、他の部署に紹介することによって、企業全体の営業成績をあげることが可能です。
さらに過去の成功事例をいつでも参照できるようにしておくことで、過去の事例と同じような事案が発生したタイミングで参考にできます。
② 専門知識のシェア
企業内において、特定分野の社員の知識や外部の専門家の知識を整理してまとめておけば、新人や他の部署の社員が特定分野の部署や外部専門家に聞かなくても確認できるので問題解決が効率的にできます。
③ 知的資産のシェア
企業の日常業務にも使えるあらゆる分野の知識をシェアすることによって、さまざまな用途や分野に用いることが可能なので、効果的に企業全体の生産性を上げることが可能です。
④ 顧客情報のシェア
さまざまな顧客の情報をシェアすることで、企業のどんな部署のスタッフでも事前に情報が得られるので、対応する際の不安の払拭(ふっしょく)やその顧客にあった対応が可能となり、一定の成果が期待できます。
ナレッジシェアには「動画」が有効
ここまで、ナレッジの意味やナレッジを社内で共有するメリット、ナレッジシェアの例についてご説明してきました。ナレッジシェアのタイプについては、上記のどのタイプを重視するかによって異なるため、企業の状況に応じて目的を検討し、最適な施策を行っていくべきでしょう。
また、コロナ禍におけるテレワークの継続ならびに定着により、社員とのエンゲージメント向上に課題を感じる企業も増加傾向にあると言われています。その背景にチーム間の連携が取りづらい、社員の一体感やロイヤリティが上がらず離職が増えるなどテレワークによるコミュニケーション不足などがあげられます。
それに加え、テレワーク時代にナレッジシェアに関する課題を感じる企業も多いなか、その解決手段のひとつとして、「動画」があります。ナレッジシェアをする際のコンテンツとして、動画を活用することで下記のようなメリットがあります。
- ・「活字が苦手な社員でもとっつきやすい」
- ・「ロールプレイングでセールスチームのトレーニングに活用することで、何度も学べる」
- ・「動画マニュアルを作成することで研修コストが削減できる」
社内でのナレッジシェアを促進し、組織力や生産性向上のためのひとつの手段として「動画」という選択肢も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
『つたわる×つながる×シェアする』をコンセプトに、テレワーク時代における動画活用で従業員のエンゲージメントを高める「動画社内報」サービスです。
国内700社以上の導入実績のある動画配信システム「millvi」で、動画によるコミュニケーションが可能な社内報システムのご提供から、動画制作サービス、活用支援コンサルティングまでお客様を支援いたします。